書評 堀裕嗣著「教師の仕事術」2

2回目の書評です。

本書でよくよく読んでほしいのがまえがきです。

まず,私が注目したところは働き方改革に関する「現象的,表層的,構造的,深層的な違和感」という部分です。
特に教師の仕事を時間で測っていることに対する記述です。時間の代替は教師の質向上につながるのかという内容です。

この話は,twitter等で陰山英男先生も発信していましたが,フォロアーから結構叩かれていました。

つまり,教師の能力というか質というかいろいろありますが,教師もピンからキリまでいます。
これは組織である以上例外ではなく,間違いありません。
しかし,一律に時間で仕事を区切った場合,いろいろな意味でキリの人たちが苦しくなるのは堀先生が述べているように明らかです。

しかし,残念ながらこのあたりのことはあまり表立って議論されることはありませんでした。
同じ教師が教師の質について触れるということは,タブーだったのかもしれません。
陰山先生が叩かれたのも同じ理由だと思います。

重要なのは,述べられている「「時間」と「質」をミックスした複雑な基準で論じる」必要性です。
仕事の質について,という視点を持って本書を読み解くと,相当な気づきや収穫があるものと思います。


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