「算数を中心とする情報教育の展開」を読む1

今の教育現場の状況に不平・不満ばかり言ってもいいことは1つもないので,これから少しずつそちらの方向に向かっていくようにしていきたいと思う今日この頃です(笑)。

数学教育におけるコンピュータ利用を真面目に考えていかないと,地盤沈下を起こしてしまいます。
まずは,私の恩師である守屋誠司先生(現・玉川大学)とそのまた恩師である横地清先生(元・数学教育学会会長)が2001年に出された,「算数を中心とする情報教育の展開」(明治図書)を読み直してみました。
ちなみにこの本はすでに絶版になっていて入手は難しいようです。
古本も見当たりません。

コンピュータの利用について非常に重要なことが記されていますので,何回かに分けて書いていきたいと思います。
これは私の勉強の代わりでもあります。

1 情報機器の高度の発達と普及の中で,算数教育はどのような対応を進めるとよいか

先に言葉の定義があります。
Virtual思考:情報機器が表現する,画像,音声などの表現に依存する仮想的な思考
Real活動 :手足を動かし人と人とが,情を交わして,この現実の世界で進める実際的活動
子ども自身:ひとりひとりの子どもたちのこと
子どもたち:2人以上のグループとなった子どもの集団
クラス:学校のクラスの子どもの集団

① 子ども自身が情報機器の提供するVirtual思考を活用して,広範で高次の数学的研究や数学的活動を進める。
例1:応用問題に含まれる演算構造を明らかにし,必要な数値を,順次に,電卓の演算に乗せ,解決に至るようにする。
例2:数値を変化させて,同じ構造の他の問題にも応用してみる。
例3:多様な法用問題について,演算構造を明らかにし,Excelやプログラム電卓を利用して,その演算構造を組み込み,様々な数値について,応用問題を解くようにする。
例3:幾何教育では,直線や円を,情報機器の画面上で操作し,高次の図形の特徴や性質を追跡する。
まとめて言えば,「Virtual思考で,思考実験し,一段と高次で,広範な数学的研究と数学的活動を追求する。情報機器が,自己の思考を広範で高次の思考へと発展させる。

② 子どもたちが,情報機器を通してVirtual思考を活用し,広範で高次の数学的研究と数学的活動を協同で開拓していく。

③ 子どもたちが,相互に,情報機器を通して交信し,各自が開拓した数学的研究と数学的活動を交信し,双方を越えた,一段と広範で高次の数学的研究と数学的活動を進める。

④ 国内の異なった2地域のクラスが相互に,情報機器を通して交信し,双方が開拓した数学や数学的活動の交信を進め,双方の数学的研究や数学的活動を越えた,一段と広範で高次の数学的研究や数学的活動を獲得する。
同時に,相互の地域の文化を交流し,その発展に期する。この際の学習活動を,リアルタイム遠隔協同学習と言う。

⑤ 日本と外国のクラスが情報機器を通して交信し,双方が開拓した数学的研究や数学的活動の交信を進め,双方の数学的研究や数学的活動を越えた,一段と広範で高次の数学的研究や数学的活動を獲得する。
同時に,相互の地域の文化を交流し,その発展に期する。

⑥ 国内,国外を問わず,多様な情報源から,広範で,高次の情報を獲得し,子ども自身や子どもたち,あるいはクラスの,数学的研究や数的活動に生かしていく。

⑦ 子ども自身や子どもたち,あるいはクラスが,それぞれに交友の数学的課題を持ち,情報機器を活用して,それに対応する数学を創ったり,それに対応する,数学を芯とする総合学習を実現したりして,固有の課題に答えていく。

⑧ 子ども自身,子どもたち,あるいはクラスの学習活動の成果は,情報機器を通し,他の子ども,子どもたち,クラス,学校全体,保護者,地域の市民に,進んで,分かりよく,公開する。
その公開のPresentationのために,たとえば,中学年以降の子ども,子どもたち,クラスは,たとえば,Powerpointのソフトが活用できるようにする。

⑨小学校の知的な教育では,言語と数学が基幹である。算数の学習では,その基底に,確実な言語の学習が要請される。その言語教育の発展として,算数では,言わば,幾何学での証明の開陳に対応するものとして,Presentationが重視される。 

⑩ 情報機器は現在,急速に進歩している。先生方は,立ち後れることなく,その進歩が,一段と広範で,一段と高次の数学の獲得に,どのように活用できるかを,絶えず研究し,同時に,子どもの学習に生かす。

以上が,横地先生の書かれた部分ですが,「一段と広範で,一段と高次の数学の獲得」という言葉が何度も出てきます。
もう軽々と,授業をどうするかなどの話を飛び越えていますね(笑)。


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