プログラミングを考えていた延長で,数学教育のことについても考えました。
今年,約10年ぶりぐらいで日本数学教育学会に参加しました。
数学教育では日本最大の学会です。
私はコンピュータと数学教育の発表がないかリサーチが第一の目的でした。
しかし,テクノロジーというカテゴリがあるにも関わらず発表者は数人でした。
数学教育でコンピュータはあまり扱われていない現状があるようです。
数学を学習することは,もともと論理的思考,前提を考える,手順を示すなど,今言われている「プログラミング的思考」そのものです。
ですので,コンピュータを使って数学を教えることに,あまり有用感を感じていないのかもしれません。
このあたりは海外と比較しても,もう少し取り組まなければならないところだろうと思います。
現在は数学的活動を中心として数学の授業を組み立てる必要がありますが,こちらもかなり中途半端な取り組みになっているように思います。
週1時間程度は算数の時間の中で「小学校における応用数学」みたいな授業,問題を解くようなスタイルの授業ではなく,数学を使って社会の事象を解決したり考察したりするような学習が必要ではないかと思います。
これが,これからのAI社会を生き抜く子どもを育てる核になると思っています。
テクノロジーに関しても海外はComputingのように教科として独立しています。
私はその方がよいと思います。
日本ではロボットをプログラミングで動かすことがかなり盛んになってきました。
先日山形大学の加納寛子准教授のお誘いで,ロボットを児童生徒が動かすイベントを見学してきました。
外国製のものもかなりあり,組み立てからやらなくてはいけないので,とても本格的でした。
やればとても面白いだろうと思いましたが,これを学校でやる時間は,今のところないように思います。
また,私が一番腑におちていないのは,「ロボットを動かす活動のその向こう」に,何も見えてきていないことです。
学生時代からずっとプログラムをやってきて教材を作ったり,一時期は自宅にサーバーを設置してサイトを開いていたり,デスクトップならパーツを買ってきて自分で1台組み立てます。
パソコンにどっぷりと浸かってきた私でも見えてきません…。