毎年恒例の次年度ゼミ生の説明会を行いました。
私の所属する学科では例年12月まで次年度のゼミ生を決定します。
学生が学科の先生と個別に面談し,期日まで申し込みをします。
各教員は,申込書の内容を読むほか,面談などを何度か行って受け入れるゼミ生を決めます。
どの先生もよい学生を受け入れたいと思っているでしょうし,私もそうです。
今日はそのために「後藤ゼミ説明会」を行いました。
そこで,教員を送り出す側として,去年あたりから思っていることを書いておきたいと思います。
いま,現場で一所懸命に勉強していらっしゃる先生方は,何の問題もありません。
私が関わった先生方では,もう解散してしまいましたが,「東北青年塾」のメンバーの皆さんや,今は「フォレスタネット」さんで投稿したり読者になっている皆さんです。
しかし最近では,ゼミ所属が必ずしも必修でない大学も多いようです。
つまり,普通に卒業単位は取って出ますが,「特徴」がありません。
ゼミがないので,必然的に集中的に勉強してきた教科がありません。
そこで特徴になるのが「ゼミ」だと思います。
そうすると,若手でも「強み」が全くないということも往々にしてあるようです。
少なくとも,私のゼミを卒業した学生には,以下のようなことを願って指導しています。
今まで普通に授業ぐらいで終わっていたのに,初任者になったとたんにあれこれ勉強しなさい! と言われても,学部で「勉強した経験」がない学生は,就職してもどうやって勉強したらよいか分からないと思います。
私は数学教育を通して教えますが,卒業研究で,問題の所在,研究の目的,方法,結果,考察,をちゃんと踏まえて卒業研究などができれば,その骨組みは学級経営の中でも使えると思います。
例えば,クラスの子どもがなんとなく落ち着かない,仲がよくない,などと感じれば,「問題はどこにあるのか」を考えなければなりません。
それが研究でいう「問題の所在」の認識です。
次は,先生は何をどうしたいのか。
現状をどういうふうにしたいのか。
「落ち着きがあるクラスになってほしい。」
これが研究の目的になります。
そしてそれができるためにはどうするか。
「方法」を考えます。方法は多岐にわたると思います。
そしていくつかの調査に基づく研究。
その前に「先行研究の分析」もあります。
これらはいろいろな情報を集め,有益だと言われる方法がどうだったのか,自分のクラスで使えるのかどうかとかいろいろ考えます。
このように,私は今いるゼミの学生には「算数の研究で培ったことを骨組みにして,同じ方法で学級経営や生徒指導を考えなさい」と言っています。
この骨組みの核になる教科は何でも構わないと思います。教科は違ってもそれを骨組みにして教師の仕事を考えます。
この方法で数年はやっていけると思います。
そしてできてきたら,その後はその教科ごとの特性を加味していけばよいのです。
ここまでできれば,トップとは言いませんが,かなり「いい線」を行った先生になれると思います。
いわゆる「素質あり!」と言えるレベルです。
今の4年のゼミ生4人にはそういったことを2年かけて教えてきました。
でも,確信は持てません(笑)。
それは「実行」できてはじめて,私の教えが理解できていたと言えるからです。
まあ,これは就職してからのお楽しみですが…(笑)
逆な順番で考えると,「どうやったらこうした教師になる土台作りができるか」というのが,今の私の課題です。
今日のゼミ説明会では,算数で研究をすることの大切さ,私が伝えたいことを話したつもりですが,2年生なのでどこまで伝わったか…。(笑)