教え子を守るために

先日,大学のイベントや私のゼミの卒業研究発表会に,卒業生が何人か来てくれました。
それぞれ時間の都合をつけてくれて,午前中だけ,あるいは午後から,そして打ち上げなど,いろいろな時間帯で短い時間でしたが,久しぶりに顔を見ることができてうれしく思いました。

みんな小学校に勤めているので,時間があれば話題になるのは,現在の勤務校の様子です。

初任者は4月1日から担任となるため,すぐ先生です。
私が少林寺拳法を教えている工学部の学生などは全く違っていて,約半年の研修の後ようやく勤務地が決まります。
それとは雲泥の違いです。

その会話の中で,唖然とさせられたことがありました。
それは「出勤時間」と「退勤時間」です。

早朝の5時,6時に学校に行って,帰りは夜の9時,10時ということがざらにあるというのです。
以前なら笑って済ませていたかも知れませんが,さすがにそうはいきません。

ゼミで2年間も一緒に過ごした学生ですからよく分かりますが,あえて話の様子,つまりその「話しぶり」をよく観察してみました。

私が強い違和感を持ったのが,早朝出勤,深夜退勤がさも当たり前のように話すことでした。
私は思わず背筋が寒くなりました。

私が,「そんなことはあってはならないことだ」といくら言っても,「だって,先生…」という言葉が必ず返って来るのです。
まるで洗脳されているようです。

私の感覚では,平日に5時,6時に出勤して,9時,10時などということはあり得ません。
振り返って思い出しても,早朝出勤は運動会当日で7時とか7時半,交通安全週間のための街頭に立って黄色い旗を持って児童の登校の見守りなどが7時半などです。
しかもそれが連続するということはありません。
夜だって,せめて家族の夕食ぐらいには帰る感じでしょう。

学校内の敷地の環境整備で6時集合などはありましたが,大抵土曜日で,終われば家に帰ります。

今,学校でも働き方改革が叫ばれている中,初任者のこの感覚は異常と言っていいでしょう。
私の教え子にも勤務校にも多少なりとも影響が出るのを避けるため,詳しい場所は避けますが,神奈川県や横浜市です。
しかし,それは私の教え子だけではなく,県下すべての初任者がそのような現状ではないかと推測されます。
早急に対策を講じて頂くことを管理職には望みたいと思います。

そしてくれぐれも気をつけてほしいことは,「早く帰って下さい」というかけ声だけに終わらないで下さい。
そして次のこともお願いします。

1 「初任者だからできないのだ」という考えを捨て,全職員が同じような現状にあるという認識に立って下さい。

2 その上で,なぜそのような出勤,退勤時間にならざるを得ないのか,聞き取りをして下さい。
特に「好きで早く来ているんだ」「勤務時間外なんだから早く来るのも自由だ」という考えを認めてしまうことは厳禁です。

3 その後の対策は,一般の先生方に考えさせるのではなく,まず校長の裁量でできることを考えて下さい。まずは校長です。

それにしても,こんな投稿をしなければならなくなるとは,思ってもいませんでしたし,とても残念です。
しかし,こんなことで手塩にかけた教え子を失いたくはありません。

みんな笑顔の子どもたちと過ごせることを思って,胸を膨らませて現場に出て行きました。
そういう毎日を過ごせるようにするために,アクションを起こしていきたいと思います。

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