前の記事で,定時退勤するための条件として,「教室内の仕事は教室から持ち出さない」というのを書きました。
これは主に子どもにかかわる宿題やテストの丸付けであったり,教材研究といったものです。
今回は,やや前回と似ていますが,「1人でやる仕事を,職員室ではしない」というのを挙げておきたいと思います。
これは例えば,書類やお便り作り,行事や学習内容をあれこれ考える,など,教室以外でできるけれど自分一人でやる事務作業的な仕事のことです。
「コーヒーを飲みながら,ゆっくりやりたいじゃない…」という先生もいるかもしれません。
しかしそれでは,定時には残念ながら帰れません。
保温ボトルなど,いまはとてもいいのがあるので,職員室でボトルにコーヒーを入れて,急いで教室に行きましょう。
まず,職員室では,多くの先生が「打合せ」をしようと待っています。
多くの先生は,これで時間を取られます。
また,休憩中の先生もいたりいろいろな話が飛び交っていて,集中できません。
私もつい混じってしまうタイプでした。でも,それではいけません。
逆に言えば,職員室の仕事は,職員室にしかない資料を使う仕事,他の先生との打ち合わせ,机の上に無造作に配られるプリントの山を整理する。
これだけに絞るべきです。
「コピー機がないと仕事ができません」
「パソコンの仕事は?」
と若手の先生がよく言っていました。
今回のポイントはここです。
教卓にノートパソコンとスキャナー付きのプリンタを据え置き にするのです。
許しがあれば,私物でもよいでしょう。
私の場合は,ヤフオクで手に入れた3万円のノートパソコンと,自宅で余っていた旧型のプリンタとスキャナーを置いていました。
プリンタも最近は,本体価格で儲けず,インクで儲ける戦略なので相当安いです。
パソコンも,最新機種である必要はまったくありません。
ワード,エクセル,スキャナー付属のソフトが動けばよいだけです。
ネットにつながっていれば申し分ありませんが,これはセキュリティーの問題があるので,いろいろでしょう。
(今でこそ私の地元では先生一人一人に事務用のパソコンが支給されていますが,以前は教育委員会で一括購入のセキュリティーソフトをインストールして申請しておけば,私物のパソコンも学校で使えました。)
そうすることで,ほとんどの仕事が,ひっそりとした放課後,教室で処理することができます。
私の話を聞いて同じようにやった後輩の先生がいましたが,劇的に変わったと言っていたのをよく覚えています。
また,小さいことであなどれないのが,教室でコピーが取れることです。
これは教材研究はもちろんのこと,「配布物のプリントが1枚足りない!」などということがよくあって,帰りの会の忙しい時にわざわざ職員室にコピーをしに行く必要がなくなります。
連絡帳のコピー,子どもへのメモ,教材のアイデアなど,コピー,あるいはスキャンすることでPCに保存することもできます。
これができるのはかなり違います。
以前,「後藤先生は朝から夕方まで,いつも教卓でパソコンを開いていて,授業中も,自分の事務仕事をしている」と,廊下を通って横目で見ていく先生に言われたことがありました。
思わず苦笑いをするしかありませんでしたが,大学時代(平成元年ごろ)からノートパソコンを持っていた私にとっては,ノートPCは文字通り「ノート」であり「手帳」であり「辞書」でもありました。
授業の計画表や指導簿を机に開いていて,しかられる先生はいませんよね。
私の地元では,すでに平成10年前後から指導簿の記入や字数計算はパソコンでしたから,授業が終われば,すぐ授業実施記録を記入していました。
国語や社会の授業をやっている途中などで「この言葉の意味ってどういうのだろうね」と言いながら,ちょっと机の上であいまいな意味を調べる,ということは私は本当にたくさんありました。
タイムリーに正確に子どもに教えることには,とても貢献していたように思います。
いまは,タブレットやスマホを片手に授業,というのも全く珍しくなくなりました。
しかし10年前はまだそのような感覚が残っていました。
こういう環境を整えることは,今はかなりハードルが下がっていると思います。
これがホントのIT機器の導入による教師の働き方改革だと思います。
これからは,こちらの話題も新しいカテゴリを立てて書いていきたいと思います。